転院を告げられ戻る母の背に諦めきれぬ思いは宿る

治療のために入院している病院でも、状態が安定したり、治療を進めても治癒や症状の改善があまり期待できなくなると、退院や療養型病院への転院、施設への入所を促されます。良くなると信じて受けてきた治療を一度はあきらめざるを得ない、患者や家族にとってはつらい宣告です。高齢の親であれば、療養の面倒や介護の必要性とその程度、毎月の費用と負担など、切実な問題が絡みあってきます。ひとつの節目の訪れに、本人と家族のいろいろな思いが交差します。

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